シリーズ ものづくり補助金の申請から採択まで 【2】
【前回までのあらすじ】
いっぱい文字を読んで、いろんな数字とにらめっこして、事業の計画を、いろんな人に分かりやすく頑張って書いたぞ!
事業計画を書いて終わりじゃない!
指定された通りに事業計画書を作成したからいざ提出! の前に、
補助金の採択で有利になる方法があることを、皆様はご存じでしょうか……。
点数が欲しい……!!
ものづくり補助金の審査には「加点」という概念があります。
加点項目の条件をクリアすると、採択に有利になるという、できることなら取っておきたい項目です。
加点項目は以下の通りです(12次公募の場合。現在では条件が変わっている可能性があります)。
経営革新計画の承認を得ている
? 何ですかそれ。おいしいの?
この補助金、マジで調べれば調べるほど知らない言葉が出てきてまったく前に進みません。
ですがその知らない言葉も調べなければ結局何もわからないままなので、調べる他ありません。調べました。
この計画の承認を得るためには、まず近くの商工会議所等の、中小企業の事業を支援してくれるところに相談する必要があります。
【相談できるところ一覧はこちら】
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/keiei-kakushin-otoiawasesaki.html
福岡商工会議所に問い合わせたところ、この「経営革新計画」についての相談でお金を取ることはないとのことなので、お問い合わせされる方は安心してください。
また、この経営革新計画は申請から承認までに時間が結構かかります。
毎月25日までの締切に提出して、よければ翌月末に承認されるという流れです。
経営革新計画で、ものづくり補助金の加点をしたいという方は、スケジュールを確認して、早めに取り組むことをお勧めします。
創業した、または代表取締役が就任してから日が浅い
公募開始の日より五年前の日~応募締め切り日までの間に、
「会社を設立した」「代表取締役が変わった」場合に加点されます。
弊社は現代表の就任がギリギリ五年以上前だったので、この項目では加点できず。
パートナーシップ構築宣言をしている
下請先とフェアな取引をしているよ! という宣言をするサイトで、宣言をすると加点されます。
【パートナーシップ構築宣言】
https://www.biz-partnership.jp/index.html
他の加点項目と違い、申請から承認までの期間が短く、計画書を作る等の手間もかからない、おまけに「弊社はフェアな取引をします!」というアピールをすることにもつながるので、この項目は取っておいた方が得です。
もちろん、宣言の内容についての遵守は必須ですが、割と当たり前のことばかり書いてあるので、よっぽどブラックなところ以外は引っかかるようなことはないと思います。
取り得項目です。外す手はありません。
再生事業者
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/common/besshi4_saiseijigyousha.pdf
ここに記載されている条件に合致する事業者は、再生事業者として、ものづくり補助金の審査で加点されます。
弊社は該当ではありませんので、ここは飛ばしました。
「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」(デジタル枠のみ)
ものづくり補助金の一般型には、
- 通常枠
- 回復型賃上げ、雇用拡大枠
- デジタル枠
- グリーン枠
の、四つの枠があります。
そのうち、デジタル枠で申請をするところは、特定の様式に則ってその状況を申請、提出することにより、加点がなされるようです。
弊社は通常枠なので、ここは飛ばしました。
事業継続力強化計画の認定をもらっている
? 何それ?
どうやら防災、減災に関する計画書を提出して、「それなら大丈夫だね!」と経産省からお墨付きをもらう制度のようです。
確かに日本は災害に見舞われやすい土地柄ですので、一度会社にふりかかるかもしれない災害を想定してみるのもよさそうです。
備えながらにして補助金の加点をゲットできる、一石二鳥項目です。
【事業継続力強化計画公式サイト】
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm
賃上げ加点
「従業員の給料をめっちゃ上げると加点するよ」項目です。
そもそも、ものづくり補助金を申請するには賃上げ誓約書を書いて提出する必要があります。
その賃上げの条件をさらに「給料めっちゃ上げます」にすると、加点されるというものです。
みなさんも自社の社長さんに「補助金の!!条件なので!!給料上げてくださいね!!」とアピールしながら記入するとよいでしょう。
※ただ、先に立てた事業計画の数字を鑑みて、無理のない範囲の賃上げにしましょう。
「被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合」
特定の事業所で、短時間労働者への健康保険適用が拡大されたのが平成28年のことですが、
その特定の事業所でなくても、申請をすれば短時間労働者へ健康保険を適用する事業所になれます。
その「任意特定適用事業所」になると、補助金の審査で加点されるようです。
このあたりは、じっくりと社内で話し合いをして決めるとよいでしょう。
加点項目、取っていこう
以上が、ものづくり補助金の審査加点項目です(12次公募段階のもの。現在では変わっている可能性があります)。
ものづくり補助金ポータルサイトが公表しているデータによると、1点も加点項目を取りにいかなかった事業者では採択率が30%弱なのに対して、加点項目を2つ取ると採択率が65%にまで上がります。
https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html
手間はかかりますが、少しでも補助金の採択率を上げるためにも、加点項目はできる限り取っていきましょう。
もう申請できるでしょ?
なんとまだ準備するものがあります……あるのです……。
この補助金シリーズ、もうちょっとだけ続きます……。
国、さすがにきびしぃ~!