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取り込み詐欺

「振り込め詐欺」をご存じない方は、もはやこの日本に少数派でしょう。
 ですが「取り込み詐欺」という犯罪を、あなたはご存知でしょうか。

 取り込み詐欺とは、商品やサービスを顧客に提供したにも関わらず、代金を支払ってもらえずにドロンされてしまうという詐欺です。

 犯人はまず、正当な取引を装って商品を購入しようとしてきます。
 企業側もまずは新規の取引先が、きちんとしているかを気にしますので、商品の提供条件を前払いに設定して条件を提示します。
 はじめのうちの数回は、商品の代金が支払われます。
 そうやって犯人はまず企業を信頼させ、後払いでも取引をしてもらえるようになったのち、大量の注文→代金を支払わず消える、というのが主な手口です。

 帝国データバンクのサイトでも詳しい注意喚起コラムが書かれています。
 こちらもぜひご覧ください。

https://www.tdb-college.com/column/?id=1681459856-155194

 大量の注文に対応するために、企業は支払に少なくない金額と手間を使います。
 支払が行われないなど、言語道断です。

取り込み詐欺の手口

 取り込み詐欺の犯人は、まず会社を設立するか、休眠している会社を買い取ります。
 そして会社HPも作り、業務実態のある会社を装い、こちらに連絡を取ってきます。

 その後は、上記の通りです。

 我々は、問合せをしてきた企業が、きちんとした業務実態のある会社なのか、それとも詐欺グループなのかを判断しなくてはいけないのです。

取り込み詐欺への対策

 取り込み詐欺の犯人は、会社を買い取ったり設立した上でこちらにアプローチをしてきています。
 新規取引の際は信用調査会社を利用して、相手先を見極めましょう。

 相手先の商業登記を確認し、

  • 短期間で移転を繰り返していないか
  • 短期間で事業目的がコロコロ変わっていないか
  • 換金性の高い商材を扱う事業ばかりを行っていないか

 このあたりで何かに感づいたコナンくんの顔になったら、取引には慎重になった方がいいでしょう。

 あと、会社HPを確認して「このHP……何か変……」と感じたときにも、やはり慎重になったほうがいいです。
 何か変……の例)日本語に違和感がある、写真が素材すぎる、ドメイン(通常の企業のHPだとco.jpが一般的。日本で登記している会社が取得できます。取得に手間とお金がかかるので、このドメインを持っているところは割と信頼できます)等

 また、取引条件を明確にしておくことも有効です。

もし商品を送った後、支払がなかったら

 商品を送って、支払いがない……その場合は速やかに相手に連絡をして、支払の遅延理由を聞きましょう。
 それで支払いがあればよし、もし万が一……

 万が一被害にあってしまったら、警察に被害届を出しましょう。
 その際、スムーズに被害届を受理してもらうため、あらかじめ取引の証拠や資料を集めておくのが◎

 ですが、警察に相談するだけでは、被害にあった商品は金額は戻ってきません。
 その場合は弁護士への相談が必要です。
 民事裁判で被害の回復を図ることはできますが、もちろん手間と時間とお金もかかります。
 結果、損害賠償請求が認められても、相手が応じないということもあり得ます。

 被害にあった後のリスクを考えると、やはり被害に遭わないことを念頭に置いていたほうがよさそうですね。

小さな違和感を見逃さないで

 毎日の業務の中で、突然の「大口新規取引」は魅力的に見えるでしょう。
 ですが、その魅力に目をくらませることなく、小さな違和感を覚えたら防衛体制を取ることも大切です。
 会社の財産を守るために、警戒することを忘れずに。

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