「ネットで拾った」画像には著作権があるから、勝手に使っちゃいけませんよ。【著作権】
プレゼンの資料を作成する。ブログの記事を書く。広報用SNSを運用する。
いずれも、現代ビジネスシーンでよく見る光景です。
どんな資料にしようか、どんな記事にしようか、どんな投稿をしようか、と考えるうちに、きっと皆さんは「画像」を使いたいという思いに行きつくはずです。
画像は目を引きやすく、人に理解を促しやすくできる素晴らしい要素のひとつ。
皆さんは画像を探すとき、おそらく検索エンジンの検索窓に、こんな感じで入力すると思います。
『飛行機 画像』『複合機 画像』『ケーキ 画像 無料』
その結果出てきた画像をダウンロードして、そのまま資料作成や記事、SNSの投稿に利用していませんか?
日本には『著作権』というルールが存在しています。
何もわからないまま、インターネット上の画像をあれこれ使っていると、いつかあなたには手痛いしっぺ返しが来ることでしょう。
今日は『著作権』と絡めながら、インターネット上の画像素材の使い方や注意点について説明したいと思います。
そもそも著作権って?
著作権とは、写真やイラスト、動画に音楽等、創作物を作った人に与えられる権利です。
著作権を持った人は、その著作物を複製したり上映、投稿、放送したりということができます。
逆を言えば、著作物の権利を持たない人は、そういったことを許可なく行ってはいけないのです。
ブログ投稿を例にとります。
ブログの記事にシロクマの写真を載せたい!
↓
ネットで「シロクマ 写真」と検索。
出てきた写真を何も確認せずにダウンロードする。
↓
ブログ記事にその写真を掲載し、公開。
↓
後日シロクマの写真を撮った本人から連絡が来る。
「写真の使用料を支払ってください。1日〇円なので〇〇万円です。
支払ってくれなければ訴訟します」
↓
どうしよう
といったことが起こる可能性があります。
写真を転載した本人に、悪いことをしたという自覚がないのでさらに厄介なトラブルになるでしょう。
それは著作権を正しく理解していないからです。
上記シロクマ写真ブログ転載の件では、シロクマの写真の著作者は「シロクマの写真を撮った本人」です。
なので、ブログに載せたり、グッズを出したりする権利(著作権)は「シロクマの写真を撮った本人」にあります。
シロクマ写真の著作権を持たないブログ管理人には、シロクマの写真を勝手に使う権利はないのです。
わきまえましょう。
でも画像を使いたいよ!→素材サイトを使おう
「自分では絵は描けないし、写真も撮りに行けないしスマホしかないしどうしよう」
というときは、素材サイトを利用しましょう。
素材サイトは、あらかじめ著作者が「この画像使っていいよ!」と画像や写真を提供してくれているところです。いつもありがとうございます。
利用規約を確認して、適切な利用範囲で使用すれば、著作権を侵害してしまうリスクは避けられます。
見たことない人類いない説「いらすとや」
https://www.irasutoya.com/
シンプルでカワイイ「ソコスト」
https://soco-st.com/
ホントにこのオシャレな写真無料でいいんですか!?「Unsplash」※一部有料
https://unsplash.com/ja
等、他にも様々な素材サイトがあります。
これらの素材サイトには利用規約が定められています。
利用規約は必ず隅々まで目を通して、それに従う必要があります。
素材サイトを使うときは、利用規約をきちんと読もう
なぜ素材サイトを利用するときに「利用規約」を読まなくてはいけないのか。
それは素材の著作者ごとに「私の写真は好きに使っていいよ!」とか、「私の画像をこんなことに使わないで」など、スタンスが全く異なるからです。
画像の著作権は著作者にあります。
使ってもいいことを前提に素材サイトを運営されていても、著作者が使ってほしくない方法で画像を使ってはいけません。
最悪損害賠償請求が来ます。
なので、規約はきちんと確認しましょう。
チェックポイント1:商用利用について
素材サイトの規約には、ほとんどの場合「商用利用について」の言及があります。
商用利用とは、商品の販売や広告、企業のウェブサイトでの使用など、利益を得る目的での利用のことです。
素材サイトの規約に「商用利用不可」と記載があるにもかかわらず、そのサイトの画像を使ってしまったら、著作者から訴えられる可能性があります。
必ず確認しましょう。
チェックポイント2:クレジットの有無
クレジットとは、著作権者の名前やサイト名を表示することです。
ドラマやアニメのエンディングでは、スタッフさんの名前がずらっと表示されていますが、あの表示についても「クレジットされている」と表現されます。
もし素材サイトの規約に「クレジット必須」とあれば、利用したブログ記事ならその画像のそばに、SNS投稿であればその投稿内に、指定されたクレジットを入れる必要があります。
こちらもまもらなければ、著作権侵害とみなされる場合があります。
気を付けましょう。
チェックポイント3:再配布禁止
世の中には心無い人もいるもので、他人の成果物を自分の利益にしようとする人がいます。
素材サイトの画像をDLし、そのまま丸ごと別の素材サイトにアップロードして広告収入を得ようとする人がいますが、無論禁止されています。
素材を改変して再配布する行為も禁止されていることがほとんどです。
利益を得たいなら、自分でがんばりましょう。
規約を守らないと……?
素材サイトの規約を守らずに画像を使用した場合、著作者から法的な措置を取られる可能性があります。
訴訟を起こされれば、損害賠償請求をされるでしょう。
商用利用禁止のサイトでDLした画像を、自社の商品に使い、莫大な利益を得たならば、それ相応の賠償金請求をされます。
また、著作権侵害によって失墜する社会的信用も大きな損失です。
ブランドイメージの低下にもつながります。
最近、大手コンビニチェーンのキャンペーンで使った画像素材について、不正利用の疑惑が持ち上がりました。
そちらは著作権侵害にはあたらないと発表があり、事なきを得ています。
ですがインターネットでは悪評がすさまじい勢いで広がります。
会社のイメージを損なわないためにも、適切な素材利用が必要です。
正しく楽しく素材を使おう!
以上のように、画像素材を適切に利用するためには、正しい著作権の知識と各素材サイトの利用規約への理解が必要です。
画像の不正利用は、大きなリスクを伴います。
悪事はバレてしまうものです。
正しい利用方法で素材を使って、素敵な資料や投稿を作ってくださいね!